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こだわりの逸品「香住の松葉蟹」をとことん堪能する!!
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「かにの祟り?」
かにといえば忘れられない思い出がある。
私が生まれ育ったのは神奈川県の横須賀市。家から数分も歩けば海に着くという町で、子供だった私達たちにとって釣りざおや潮干狩りの道具は山で蝉を追いかけるアミと同じように必需品だった。
まだ幼かった頃、父親に連れられてぬかるんだ海辺に蟹を採りに行った時の光景は今も目に焼き付いている。大小さまざまな蟹を捕まえてバケツに放り込み、ご満悦な私は、目の前のぬかるみから突き出た錆びて太い針金を何故か飛び越す気になった。普段ならば何て事の無い高さに突き出た針金をさっと飛び越したはずの私の足は、ぬかるみに足を取られて持ち上がらず、あっと思った時には太もものあたりをえぐるように針金が刺さって突き抜けていたのだ。
長閑な時代だったのか、父親がのん気だったのか、結局病院にも行かずに近くの水道で洗っただけの傷は、今では私の成長と共に大きくなって、15センチほどのみみずばれとなって残っている。「何かの事故で顔が解らなくなっても太ももを見ればすぐわかるね」などと、慰めともからかいとも付かないようなことを言われながら
「これはかにの祟りだ」
と密かに思っていたことが思い出される。
それはさておき「かには美味い」に決まっている。と言うわけで、今では祟りなんて何のその、美味い蟹はもちろん食べまくっているのだが、タップリ食べてご満悦の後に、心なしか太ももの傷跡が疼くのは単なる気のせいなんだろうか・・・・・。 |
田中 泰(クラシカル・ディレクター) |
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